先に正直に言っておきます。私は今でも、AIがちょっと怖いです。仕事で扱うのは、自分のことじゃなくて、子どもたちのこと。大切な個人情報を機械に渡してしまっていいのかな——と、使うたびに心のどこかが引っかかります。
もうひとつ、本音を言うと。私の職場は、けっこうアナログなんです。「AI? なにそれ」という空気があって、使っていると言ったら、ちょっと気まずい。だからこの記事も、大きな声で「みんな使いましょう!」と言いたいわけじゃありません。
そんな怖がりな私が決めているのは、子どもの個人情報は、そのままでは絶対に入れないこと。名前は「H君」「Rちゃん」のようにイニシャルに伏せて、診断名や家庭のことなど、その子が特定できることは書きません。前の記事に書いた「メモを記録にまとめてもらう」話も、このルールを守ったうえでやっています。
そしてもうひとつ。今日お話しするのは、そもそも名前すらいらない場面です。同じAIでも、ここがいちばん気楽に頼れる入り口でした。
場面1:製作と、雨の日の活動のアイデア出し
梅雨の時期って、外に出られない日が続きますよね。「今日、何して過ごそう」と煮詰まること、ありませんか。私はよくありました。そんなとき、AIにこう聞いてみます。
「2歳児クラス、雨の日に室内でできる遊びのアイデアを5つ。準備が少なくて済むもので」
すると、思いつかなかった切り口がいくつか出てきます。全部は使いません。でも「あ、その手があったか」が1つあれば十分なんです。ここには子どもの名前も、個人のことも、一切入れません。ただ『アイデアの引き出し』を増やしてもらうだけ。
大事なのは、出てきたアイデアを「うちの子たちに合うかな」と判断するのは私だ、ということ。AIは引き出しを増やしてくれるだけで、選ぶのはいつも保育士です。
場面2:しんどい日の、気持ちの整理
これは自分でも意外だったのですが。クタクタに疲れた日に「今日こんなことがあって、しんどかった」と打ち込んでみると、気持ちの整理になったんです。
誰かに愚痴るほどでもない。でも、抱えておくのも重い。そんな行き場のないもやもやを、いったん言葉にして外に出す場所として。もちろんここでも、具体的な子どもや同僚が分かることは書きません。「こういう出来事があった」と、ぼかして書くだけです。
返ってくる言葉に救われる、というより、自分の気持ちを文字にする過程で、ちょっと落ち着く。私にとっては、そんな使い方です。
怖さは、ゼロにならなくていい
怖さがすっかり消えたわけではありません。職場で堂々と言えるようになったわけでもない。でも「全部任せる」でも「全部拒否する」でもなく、「個人情報はそのまま入れない、と決めたうえで、まずは名前すらいらないところから、こっそり手伝ってもらう」。その距離感なら、怖がりな私でも続けられています。
もしあなたも「怖いけど、気にはなる」なら。まずは名前も個人情報もいらない場面——アイデア出しとか、自分の気持ちの整理とか——から。それくらいの距離で、そっと試してみてください。いつか職場の空気が変わるその日まで、こっそり、自分のペースで。